2016.10.7~8 ラン島SUP Trip(1泊2日)
いよいよこの日がやってきた。朝8時にREIと落ち合い、車でPattayaのバリハイ桟橋へ。約2時間で到着。10時発の定期船(THB30、90円)に飛び乗る。いつもながらぎりぎり間に合う。波のコンディションはまあまあだ。天候も雲が多いが晴れていきそうな雲行きだ。船の2階席の船長室の前に座り込む。景色が良く見え絶好の眺望だ。ぼーっと突っ立っていたら船長に座るように窓ガラスを「ドンドン」とノックされたので座り込む。
いい天気になってきた!
この時間の船がどっちに向かうのか不明だった。いつもなら島の向こう側のタワエンビーチに向かうが、手前のナバーン桟橋に到着するか。。。じっと船の向かう方向を眺めていたが、ラン島手前の島を右に行くか、左に行くかで決まる。右に行けばタワエンビーチ行き、左に行けばナバーン桟橋行き。どっちだどっちだと見続けていると少しずつ船が左に向き、ナバーン桟橋に向かっていった。そうするとSUPでホテルにチェックインするには、島を時計回りで進むしかない。距離的に10kmだ。問題はどうやって海に下りるかだ。船が桟橋に到着した。上陸地点から海までは標高差5mほどある。どこか降りれる場所を探しに町の周辺を散策にいく。REIは荷物番だ。観光客であふれかえっている船乗り場の右手に波打ち際に出られるスペースを見つけた。REIのところに戻りSUPバッグを受け取る。「トイレどこですかねえ」とREIが言い出したので、二人でトイレを探す。近くの食堂の奥にあると店のおばさんが指差してくれた。行くとそのおばさんが走ってきてトイレの入り口で「10バーツ」と言われる。有料トイレで30円とられる。REIはさらに「日よけの帽子を買いたいです」と言って土産物街に飛び出していった。しばらくしてべたなヤンキースのキャップを買って戻ってきた。空がかなりいい感じで晴れ渡ってきた。すでに暑い。波打ち際手前のスペースでSUPに空気を入れて準備を始めると、となりにあるレストランから暇な従業員が2名何事が始まったのかと見学に来た。SUPを見るのが初めてらしくものめずらしそうに寄って来た。俺はそういう野次馬を使うのが結構得意であり、「ポンピングしてみる?」とジェスチャーで手招きするとだいたい100%の確率でポンピングを手伝ってくれる。今回も野次馬君がポンピングを手伝ってくれた。その間に荷物を防水バックに詰め込み出発の準備を行う。レストランから日本語が流暢なおばさんが話しかけてくる。「一泊1000バーツだから泊まって!」と。今からSUPを漕いで反対側のサマエビーチに向かうことを伝えると驚いていた。殆どの人がそうなのだが、「それいくらするの?」と聞いてくる。「5万バーツ!」というと、高額なのかみんな黙り込む。SUPを波打ち際に運び防水バックをSUPバッグに入れ、SUP前方のショックコードにくくりつける。見ていたおばちゃんたちを手招きしみんなで記念撮影。いってきまーす。「今度来るときは泊まってねー」いつまでも商売を忘れないおばちゃんだ。
ナバーン桟橋の下をくぐり俺たちのSUPツアーがスタートした。天気は最高潮に達し、とても気持ちが良い。波もラン島の東側なので穏やか、風もほとんど感じない。体感コンディションは最高に気持ちが良い。いつもトレーニングでつかっている、STARBOARD RACERは幅26インチ(66cm)だが、今回のSTARBOARD TOURINGは幅30インチ(76cm)で約10cm幅が広い為安定感がある。荷物を乗せてもほとんど問題なし。パドルを一漕ぎ一漕ぎするたびに、水の抵抗を腕に感じ、程よい筋肉の緊張を味わいながらこの晴れ渡った空、綺麗な海をみて「なんて最高で幸せな旅をしているのだろう」と深く深くしみじみと実感しながら漕いだ。舟で島に渡り、ホテルまではTAXIかバイクでチェックインが普通だが、海からSUPでチェックインするのは俺たちが初めてだろう。実に面白い。
いつもは俺がカメラマン係でShojiの写真ばかり撮っていたが、今回はREIのおかげで俺が被写体だ。ありがとう、REI。REIは昨夜この一泊二日のSUP TRIPが楽しみで寝られなかったとのこと。まさに遠足前日の小学生だ。笑顔でSUP Tripを楽しんでいる。前回はShojiのSUPを借りてきてたが、今回は自分のSUPだ。やはり自分のものは愛着が沸くだろう。停泊しているモーターボートの脇を通り過ぎ、島から200m~300m程離れた距離を保ちつつ漕いで行く。ところどころ、底まで透き通っており、綺麗な珊瑚礁や魚の群れに出くわす。SUPに乗ると目線が高くなり、カヌーやカヤックより海を深くそして遠くまで見渡せ気分も格別だ。しばらく行くと右手にビーチが見えてきた。ヌアルビーチ、通称モンキービーチだ。ビーチの右手にある崖に生える木々に中型の猿が住み着いている。とりあえず休憩兼ねて上陸する。「イヤー気持ちいいですねえ」とREI.波打ち際で少しのんびりし休憩を取る。背中に仕込んだハイドレーションバックから出る水がだんだんぬるくなってきた。しかし漕ぎながら水分補給するにはとても便利な道具だ。
たぶんこのビーチがナバーン桟橋から一番遠く一番綺麗なのではと思う。人も欧米人ばかりでとても静かである。施設も簡易な売店しかなくほんとうに皆日光浴したり、読書したり、殆どの人が寝ている。いいことだ。
シュノーケリングをしていた一人の欧米人が「そのSUPはレンタルか?自分のか?」と海の中から突然質問してきた。「俺の」と答えると、またその欧米人は海の中に消えていった。この先がライヌン岬でそこを回り込むと、風が吹いてきて、波も立ってきた。もうすぐゴールのサマエビーチかと思っていたら意外と距離がありなかなか着かなかった。だんだん風も波も荒れてきて所々三角波が立っているところもある。波は左横からぶち当たってきており、常に進行方向を11時の方向か1時の方向にし、横波をまともにかぶらないように注意しながら進む。だんだん足の裏がしびれてきた。不自然な立ち方、力の入れ方をしていると足がしびれてくる。遠くにサマエビーチが見えてきた。もう少しだ。REIも必死に後からついて来る。黄色いブイで囲ってある海水浴場が見えてきた。ゴール。お疲れ様。
SUPを船着場のプラスチックブロックの上に横たえ、ビーチフロントのザナドウービーチリゾートホテルにチェックイン。パスポートの提示を求められたが、タイの自動車免許証を見せればOKだった。3階建てのカラフルな建物が並び、中庭には芝生の公園や水車まであり、かなり施設の整った建物である。B2の部屋へ案内されるとベッドがダブルベッドだった。「REI俺たち完全にゲイと間違われているぞ。ツインに換えてもらおう」「俺話してきます」とREIが自信満々でロビーに戻っていった。しばらくすると「言ってやりましたよ。We are not Gay!って。大爆笑されました」と。すぐ隣の部屋に案内され事なきを得た。すぐシャワーを浴びにシャワールームへ。タオルもアメニティーグッズもあり、シャワーも温水で冷蔵庫、テレビ、クーラーも完備。コンセントもたくさんあり言うことなし!コスパよし。一泊3,000円は安い!シャワーを浴び、荷物を整理したら即ビーチ際にある簡易レストランに行き、「とりあえずビール!」を頼んだ。REIはこれからさらに島一周する気満々だったが俺はもうビールモードだったので、、飲もうぜ、飲もうぜとREIをそそのかしビールで乾杯した。グビグビグビ。。。プファー!!!!!この一杯のためにSUPしているようなものだ、と勘違いするほど最高の喉越しだ!I’m in heaven.俺は今天国にいる。タイカレー、蟹チャーハン、エビフライを頼んでビール大瓶4本を楽しんだ。それでも一人1,500円ほどだ。幸せ。その後REIは元気にSUPの練習。俺は昼寝を2時間ほど楽しみ夢の中へ。
夕方6時頃にやっと起き、夕日を見ながらSUPを漕ぎ、ルアーで釣りをするがさっぱり。持ってきた醤油とワサビはまた使うことなくバッグの中へ。その後ドンドン空が雲で覆われすごい波と風がはじまった。シャワーを浴び、ホテルのレストランに行くが風が強く誰もいなく貸しきり状態。ポークステーキ、フィッシュ&チップス、春巻きを注文し、シンハビールで乾杯。持ってきたジャックダニエルで更に乾杯。9時頃まで談笑し、就寝。俺は持ってきた単行本をヘッドライトで照らしながら1時間ほど読んで寝た。飲んだ後はどうしても3時間後に目が覚める。夜中に3箇所蚊にさされたが持って来ていたキンカンを塗って再び就寝。REIはいびきもかかずぐっすり寝ている。
翌朝は、6時半過ぎに起床。散歩がてら海の状況を見に行く。空は曇りで波は少し荒れている。
REIも起きてきた。蚊に刺されたのはどうやら俺だけだったらしい。「僕より血がおいしいんですよ」と慰めてくれた。朝食は自炊だ。持って来ていたSNOW PEAKのバーナーにタイで買ったボンベをつけて湯を沸かす。一番好きなサッポロ一番塩ラーメンを割って鍋に入れ、まず一人前を作る。ゴマと胡椒で味付けして、ホテルにあったマグカップで半分ずつ食べる。旨し!続けて2個目をつくり又二人で半分づつ分けて食べる。昨日釣りで魚がつれなかったのでシーフードヌードルにはならなかった。ゆで卵も忘れたが素ラーメンでも旨し!鍋を洗い、再度湯を沸かし食後のコーヒーを入れる。やはり、インスタントではなくたてていれると旨いなあ。満足。これからのラン島一周の旅の腹ごしらえはできた。
SUP TRIPの仕度を整え、ハイドレーションバックに冷蔵庫の冷えた水を入れる。REIは昨日ハイドレーションバックごと冷蔵庫に冷やしていたので、装着すると「冷たすぎます!」とおののいていた。8時15分に出発。波は昨日より荒れている。右回りで行くか左回りで行くか検討し右回りで行くことに。まず定期船やモーターボート、ジェットスキーで海況が荒れる難所(パタヤとサマエビーチを繋ぐ航路)を早い時間にパスしておいた方が良いとの判断だ。サマエビーチを出て俺とREIは一路タワエンビーチに向かった。まだ朝8時台ということもあってモーターボートやジェットスキーの行き来は少ない。しかし波は左から島に向かって一定のリズムで向かってくる。昨日より波が荒い。今日は昨日と違い荷物を乗せていないので、バランスはとりやすい。朝飯も食べておりコンディションはばっちりだ。でも海況が荒れている。まもなく右手にティエンビーチが見えてきた。風はアップウインドで押し戻される。タワエンビーチに近づくにつれジェットスキーの集団が敢えて俺たちに波を食らわすかのように側を疾走していく。そのたびに横波が押し寄せ、バウを向けていないと横波でひっくり返ってしまう。真っ直ぐ進行方向に進めない。常に10時か2時の方角にバウを向けて進まなければいけない。何度も沈しそうになる。走行しているうちに後ろからREIが追いついてきた。凄い数のモーターボートとジェットスキーがやってくる。中には直近まで我々に向かって突進してくる。危なくてしょうがない。なるべく岸によって少しずつ少しずつ進んだ。おかげで波が四方八方から襲ってくる。三角波がいたるところで発生している。やばい、いつ沈してもおかしくない。足裏が痺れてきている。しかし辛抱強く耐えてパドリングを続けていると右手にトングランビーチが見えてきた。ボートやジェットスキーの台数が減ってきた。北端の岬を回り込むと誰もいない小さなタヤイビーチが現れた。「やった、難関突破だ!」急いで上陸し、パンパンに張った足を波打ち際に仰向けに横たわり、足を開放した。「何とか乗り切ったぜ。でも疲れたー」REIも直ぐやってきた。しばらく難関突破の疲れを癒し海に漂った。
ジェットスキーは朝から元気だ。
後は島の東海岸を南下していくコースなので比較的波も風も穏やかなコースだ。心に余裕ができる。心と体がリラックスできたので南下しよう。岬を回ったので、明らかに風が収まり、波が穏やかになった。直ぐ前方に昨日到着したナバーン桟橋が見える。たくさんのモーターボートが錨をおろして停泊している。その側で漁船が漁の準備をしている。我々が側を通ると、めずらしそうに見つめてくる「サワディーカップ(こんにちは)」と声をかけると笑顔がかえってくる。ナバーン桟橋に着いた。昨日出発前に一緒に写真を撮った地点に目を向けると従業員らしき人が働いていた。ちょっと距離的に遠いが手を振ってみたが、反応は無かった。見えてないのだろう。桟橋の下をくぐりるときにSUPのスピードが意外と出ているなと感じた。大海原にいるとSUPのスピードが感じられない。近くに動かない対象物があるとSUPの速さを実感できる。REIはがんばっていろいろ写真を撮りながらついて来る。いつの間にか曇り空から青空に変わり殆ど風の無い穏やかな空気になり、波も凪で静かなひと時が訪れた。パドルのひとかきひとかきの音しか聞こえない。単純なパドリングの連続であるが、波の波長に体を預け、海と一つになって漂っている感じだ。SUPは水上のマラソンのようであるが、陸上のマラソンは陸は動かないので、自分が動いて前進しているが、SUPは海自体が動いているので、それ波長に体をあわせ、漕いでいるので相手に合わせて、パドリングしているのである。そこが違う。暑くなったら海に飛び込めばよい。疲れたらSUPの上で昼寝しても良い。綺麗な珊瑚礁を見つけたら、シュノーケリングをすれば良い。自由だ。SUPは海と旅を存分に満喫できるフリーダムマシーンだ。
前方に大型のモーターボートが停泊しており、観光客がライフジャケットを着て手にパンを持って魚と戯れている。その横をSUPで通り過ぎる。皆魚に夢中で、音も無く通り過ぎる我々に気づいていない。モーターボートの船長だけがじっと見つめている。ラン島東岸はおよそ10kmで島民のカラフルな家が長屋のように連なっている。ビーチは無いがとても穏やかで過ごしやすそうな家だ。漁にも出やすいし、波も穏やかだし、最高の環境だろう。電気も水も通っており、定期船も一時間毎に走っている。中国人が押し寄せるタワエンビーチを避ければ、とても良い島だ。今では俺のホームゲレンデである。集落を抜けると断崖絶壁の岩肌がむき出しの岸壁が続く。極力岸からの距離を一定にし最短距離で漕いで行く。REIは俺から離れかなり沖のコースを漕いでいる。少し俺より先行している。がんばっているな。岸壁を回り込むとヌワンビーチ、猿のたくさんいるモンキービーチが見えてきた。REIが「このまま行っちゃいますか!」と叫んできたが、ここを逃すと休憩できる良い場所が無いので「休憩しよう」とビーチに立ち寄る。
岸辺まで軽くサーフィンして浜辺に上陸。まだ時間帯が早いので人はまばらだ。猿がたくさんいる崖の下は磯場になっており魚がたくさんいる。さっそく持ってきたシュノーケルを付けて潜る。REIは人生の中でシュノーケリングをしたことが無いとのこと。装着の仕方、息の仕方、鼻では息をしないことを教えた。今までやったことがないとは変わった人生を歩んできたんだなあ。早速潜って岩場を探索。名前は不明だが大小さまざまな熱帯魚が泳いでいる。特に巨大なウニが沢山いる。
REIを見ると、果敢にカメラで水中写真の撮影にトライしている。何度もむせてゴーグルをはずしている。やはり最初は慣れないものか。一応手銛も持って来ていたが狙いたくなるほどの大物はいなかった。REIは「SUPより疲れましたよ。どうしても鼻で息をしてしまったり、むせてしまったりして、難しいです」となんか疲労困憊している。俺は海に浮かんでしばらくぼーっと漂った。俺は浮力体の入ったSTARBOARDのインパクトベストにハイドレーションバッグを装着しているので海に飛び込んでも浮く。島一周とか長距離を漕ぐときには安全の為装着している。荒れた海峡で海に落ちたり、リーシュコードが外れたりしたときにパニックにならずにリカバリーできる。日焼け防止にもなる。REIはSTARBOARDの2016モデルのハイドレーションバック単体のモデルを使用。1.5Lのウォーターバックが装着できる。出発の準備をし、南端の岬を目指し出発。
後は、岬を回って出発地点のサマエビーチに到着するのみだ。俺は12月に行われるSUPレースに見立てて全力で漕ぐ。REIはどんどん見えなくなった。岬を回り込むと左からの横風と横波が出てきた。それにうまくバランスをあわせ漕ぎ続ける。汗がほとばしる。30分ほど漕ぐとサマエビーチの海水浴場が見えてきた。一気にラストスパート。出発地点の砂浜めがけ最後のパドリング、ゴール!お疲れ様。時間を見ると11時15分。休憩を含め約3時間で一周したことになる。実質2時間30分程か。REIが遠くに見える。がんばって最後のパドリングをしている。5分遅れで到着。お疲れ様。REI曰く、「あのシュノーケリングでばててしまいました」。まだまだ修行が足りぬ。次回はシュノーケリング特訓だ。
12時のチェックアウトまでに芝生の中庭でボードの塩を洗い流し、パッキング、シャワーを浴びてチェックアウトする。とても良い宿だった。SUP TRIPには超おすすめである。又海水浴場の食堂より料理の質が高く、タイ料理以外の品揃えも多く、値段も高くない。一番見晴らしいの良い席に陣取り、とりあえずラン島一周お疲れ様の乾杯をShinghaビールで!「く~たまらん!」続けざまに4本飲み、ポークハンバーガーセット(THB150)を注文し、YOUTUBEで大滝栄一メドレーを聴きながら帰りの定期船の出発を待ち、まどろんだ。天候にも恵まれ一泊二日最高のSUP TRIPになった。
【最高のビーチで最高にうまいビールを堪能する】
【快適なんて簡単だ。又SUP TRIPに行こう】
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