2016.11.12 (土) Shoji初挑戦!ラン島一周

今日はShojiが初めてラン島一周に挑戦する日だ。前日から仕事でパタヤに近いシラチャーという町で仕事し、ラン島へ渡るパタヤの港で朝8時に待ち合わせ、合流する段取りである。当日、俺とReiはバンコクを朝6時に出た。渋滞も無くスムーズに港に到着。ShojiのSUPバッグは俺が預かっており、それを引いて船乗り場に歩いていると後から「おーい!」と声がし、Shojiが防水バッグを持って走ってきた。丁度良いタイミングで集合。かなり来るまでの道が渋滞していたらしい。しかし、間に合ってよかった。我々一行は8時丁度の定期船に乗り込みラン島へ渡った。天気は快晴、風も程よい。波はある。島の反対側、 ○港に着き、SUPバッグを下ろす。ビーチパラソルレンタルが所狭しとビーチを埋め尽くしている。いつも一席THB100でレンタルしている場所を2席借り、荷物置かせてもらい、SUPの準備をする。いつもはSTARBOARD TOURINGだが、今回は初めてSTARBOARD RACERを使用する。幅が4インチ(約10cm)狭い。それだけでバランスが非常に難しく、現在インフレータブルSUPでもっとも幅が狭いボードだ。かなりの転覆が予想される。さっそくSUPを組み立てているといつもの通り野次馬が寄って来た。海の家で働いているタイ人の兄ちゃんたちがめずらしそうに寄って来た。いつものように「ポンピングしてみるか?」とゼスチャーでやると、ポンピングを代わりにやってくれる。いつも助かる。しかししばらくすると疲れてきて、交代したがる。疲れてきたなという頃合を見計らって、代わってあげる。ShojiとReiは自分で黙々とポンピングしている。

今回は、レース艇でのSUPなので荷物を括るところがSUPに設置されていない。しょうがないので、防水ケースに携帯、タオル、金を入れて、センターの取ってのところにカラビナで固定した。今回はSONYの防水BLUETOOTH WALKMANを耳にセットしYOUTUBEから音楽を飛ばして聴きながらラン島を一周する計画だ。さてどうなるか。風と波の方向と、まだ午前中という時間帯を勘案し、一番海上が込む北西側を先に渡ったほうが良いと判断し、右回り(時計回り)でのラン島一周をスタートさせた。最初の北端まで行くこのエリアが一番の難所だろう。定期船が通るルートであり、モーターボート、ジェットスキーが次から次へと現れ俺たちをわざとひっくり返そうとしているかのごとく近くを爆走し、横波を発生させていく。本当に腹立たしい。自然ではない波が一番難儀だ。3人とも苦戦しながらも少しずつ北上を続けた。Shojiはラン島一周は今回が初めてなのでついてこれるかが心配である。しかし、最悪シットオン(座って)でパドリングすればいけるだろう。と、後を振り返ると既に立つ気も無いのかシットオンで漕いでいた。ReiはShojiから譲ってもらったSUPを漕いで、先頭に立っている。快調だ。天気はすこぶる良い。風は向かい風。波は船のせいで一定していない。三角波が発生している。右側が岸壁、磯場になっておりそこからの跳ね返りの波も干渉して複雑な波を形成している。つねに足ががくがくし、予期せぬ方向から、予期せぬ波が当たってきたら簡単に沈してしまう。すでに2回沈してしまった。WALKMANが耳から外れて海に落ちるところだった。キャップはスプリングでベストと固定しておりサングラスはバンドをつけている。しかし、WALKMANは今回なにもケアしていないので落ちたら紛失だ。十分気をつけなければ。次回から連結しておこう。海が荒れて集中しないといけない場面では音楽が頭に入ってこない。しかし音楽によって恐怖感からは逃れられる。とにかく旨くバランスをとりながらパドリングすることが非常に難しい。SUPのセンターに付けた防水boxは問題なくボードの上で留まっている。これは今後使えそうだ。必要最低限の貴重品を持っていける。表面がクリアなケースなのでそこにラン島の地図も入れてあり漕ぎながら地図を確認することができる。

現在発注しているアップルwatchが手に入れば、SUPで漕いでいるルートの確認や、スピード、距離が瞬時に確認することができる。また、心拍数も計れるので自分の現在のコンディションもチェックすることができる。防水仕様なので楽しみだ。SUP後の振り返りに重要になるデータをPCやスマホで確認でき、次回のパドリングに生かせる。何とかラン島で一番にぎやかな銀座通りを漕ぎ抜け北端の岬にたどり着いた。Reiが既に上陸している。俺が二番手。Shojiはまだ見えない。ここまで来れば、次は東海岸となり風は島が邪魔をして入ってこない。波も穏やかでSUPを楽しめるコースとなる。音楽も楽しめるだろう。やっと、Shojiがシットオンのままで現れた。「いやーきついねえ!」とよたよたしながら上陸。しばらくShojiが回復するまで休憩。この海岸は誰もおらず小さな石の多い砂浜となっている。波打ち際も砂よりも石が多い。茂みにはサボテンが生えており、丁度花が咲いていた。なぜこんなところにサボテンが?理由は良くわからない。

Shojiは自分が遭難したときのために現在位置をFace Bookにアップしている。Reiは調子が良いらしく、やる気満々だ。「そろそろ行こうか。ここからは波も穏やかになり漕ぎやすくなるから、Shojiも立って漕ぐ練習したほうがいいよ」とアドバイスし、出発。定期船の航路からはずれ、モーターボートもジェットスキーもいなくなった。停泊している漁船の脇を通ると、漁師さんが網の手入れをしていたり、漁の準備をしていたりした。停泊船は錨を降ろしているのでそれに引っ掛からないようにすり抜け、船着場の桟橋の下を通り抜ける。丁度定期船から観光客が降りてきて、ビーチに向け歩いている桟橋の下をSUPで通り抜ける。音も無く近づいて去っていくのであまり気づく人がいない。波が穏やかで海の底が良く見える。時折小魚の群れが海面に群れをなして飛び出してくるのでびっくりする。大きな魚に追われているようだ。魚がいるいる。釣って食べたい。しかし、今回は釣り竿をもってきていないので次回挑戦だ。海の上で後続のReiとShojiを待つ。やはり静水ではこのRacerはダントツに早い。

しばらく待つと、ReiとShojiがやって来た。東海岸は住民がカラフルな軒を並べており、そこで民宿をやったり、漁をやったりしている。ビーチはない。そのかわり海は常に穏やかだ。窓から宿泊客の西洋人が椅子に座り、のんびりとこちらを見ている。こんなすごし方も素敵だ。日がな一日、穏やかな海を見ながら、アルコールバーナーで入れたコーヒーでも飲みながら本を読んで過ごすなんて優雅だ。SUPの防水ケースに入れてある携帯からBLUETOOTHでつながった音楽を聴きながら、のんびりパドリングするのもとても気持ちのいいものだ。海況によってここまで違うものか。俺はこのラン島の東海岸をパドリングするのが大好きだ。


しばらくいくと、ほとんど凪状態になった。雄大な断崖絶壁が迫る海岸線を眺めながら、音楽を聴いてパドリングを楽しんだ。後方からShojiもReiもついてくる。この区間は安全、安心だ。1時間ほど漕いだところで右手にモンキービーチが見えてきた。ここで休憩としよう。向きを右に舵を切りビーチに向かった。西洋人がシュノーケリングに興じている。その脇をSUPでパドリングしていく。ビーチに上陸した。GoProの録音ボタンを停止し、背中のウォーターバックがすでに空になっていることに気づき、水の補給と喉の潤いを求めてビーチのバーに向かった。コーラをTHB30で買って、仲間の到着を待った。静かで、いいビーチだ。この島で一番離れており人がなかなかここまでこないのでとても静かでのんびりとしたビーチだ。遠くからReiが見えてきた。ビデオを撮るために波打ち際まで良き「おーいRei」と読んでカメラのビデオモードで撮影した。その後をShojiが座りながら現れたので、「おい、最後ぐらい立て!」と叫んで立ち姿を撮影してあげた。

3人そろったところで先ほどのbarに行き全員でコーラを飲みながら休憩。「いやーやっぱり、ビールがのみたいなあ」「そうだな、でもこれからが難所なので酔っ払っては無理だ。ビールは最後のゴールまでとっておこう。」天気が良く、風も穏やかで最高の日和だ。やたらにビキニの西洋人女性が多い。それも日光浴をしてのんびり寝そべって、特に何もしない。日本人にはなかなかまねできないすごし方である。「よし、最後の4分の1をがんばっていこう。もう直ぐ南端に着くからそこから、風と波が出てくるだろう。そこを耐えて出発地点のビーチまでノンストップで行こう。」「OK!」 しかし、これからがこのラン島はじまって以来の大変な海況になるとは知る由も無かった。 南端までは穏やかな海が広がり、3人そろって気持ちの良いパドリングが続けられた。しかし、南端を回り込むと予想したとおり今まで山でさえぎられていた風が一気に我々3人に吹き寄せてきた。Shojiは既に立っていられずシットオン状態で安全第一で漕いでいる。俺とReiはチャレンジングにパドリングを続けていた。右手にビーチが見えてきた。前回Reiと泊まったザナドウーホテルがあるビーチだ。まだ、ゴールのビーチは先だ。はるか後方にReiが立って漕いでいるのが見える。しかし、もうShojiは見えなくなっていた。座って漕いでいるから心配は無いだろう。でも。かなり時間的に遅れるだろうな。携帯電話も持っているのでもし体力的に限界を感じたり、恐怖に怯え上陸しても連絡はつくだろう。先を急ごう。向かい風の中、波は前方斜め前からうねりながら何度も何度も我々に襲い掛かってきた。何度もひっくり返りそうになるところをこらえて、態勢を立て直してパドリングしていたら足ががくがくになってきた。一度SUPに座って休憩し、Reiが来るのを待った。彼もかなり苦戦しているようだ。気を取り直し、再び立ち上がりパドリングを再開。既にWALKMANの充電は無常にも切れてしまっていた。次の岸壁を右に回り込んだら目指す出発点のビーチだ。何とか、集中し漕ぎ続け岸壁を回り込むと突然波が真西からビーチに向けての波と風になり、自分に対して真横(左)から襲ってきた。いきなり沈!耳のWALKMANがはずれなくしそうになる。再びSUPによじ登るが立ち上がった瞬間に沈!これはまずい。SUPを左斜め前に向けて一旦沖に漕ぎ出し、ダウンウインドでビーチに向かおうとするが、思うようにSUPが動いてくれない。すぐボードをまわされ、立つことすらできない。突然以前から痛めていた左肩の筋がズキンと痛み出した。「だめだ、あきらめよう。」俺は降参しSUPに座ってシットオンでパドリングすることにした。シットオンでのパドリングは両足を水中に入れる形になるので遅々として進まない。徐々にReiが近づいてきているのがわかる。しかし、諦めずパドリングを続け出発点のビーチの桟橋の下を通り、ビーチに到着した。その直後にReiもゴール。「お疲れさん!」{お疲れ様でした。最後の波は凄かったですねえ。何度も落ちました。}と。しかし、Reiは最後まで立って漕いできたのでたいしたものである。さすが27歳、やる気と元気を持ち合わせている。Shojiは当分到着できないだろうから先にSUPを片付けて一杯やりながら待つこととした。丁度満潮に差し掛かっており、荷物を置いていたビーチパラソルの下まで波が押し寄せてきていた。朝いた海の家のタイ人が「一周したの?おめでとう」と握手してきた。硬い握手と記念撮影を済ませ、シンハビールで乾杯!「ぷはー!」このためにSUPをやったようなものだ。30分後Shojiも無事だが死にそうな顔で到着し、ビールもそこそこにデッキチェアで眠りこけてしまった。相当きつかったのだろう。ゆっくりおやすみ。とりあえずラン島一周成功おめでとう。 

RIVER EXPLORER's SUP LIFE

マレーシア、タイでのSUP TRIP、 そして 日本でのSUP LIFE, OUTDOOR LIFEを 綴っていきます。

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